和泉雅子『非行少女』

7/29土 ラピュタ阿佐ヶ谷『非行少女』(1963日活 浦山桐郎)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/nikkatsu-bungei/sakuhin3.html#22

http://movie.walkerplus.com/mv20829/

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↑ 上 和泉雅子浜田光夫と和泉。本篇白黒。和泉の単独主演作初見。前年(1962)の歴史的名作『キューポラのある街』で監督デビューした浦山桐郎吉永小百合に続き和泉の決定的代表作を(しかも前作より若干長尺の大作)この早い時期に撮ったことは奇跡的とも言えそう。個人的にはどこか教科書的な『キューポラ…』より破天荒気味な本作に好感。吉永が「可憐」の語の代名詞的な繊細さを常に湛えた美少女なのに比し 和泉は小柄ですばしこく走り廻る栗鼠のようなユーモラスささえ含む独特の愛らしさで 本作ではその特徴が遺憾なく。が何より驚きなのはこのときの和泉が吉永の場合よりさらに若い15、6歳だったことで その時期に天分が引き出されたのは千載一遇の機かとさえ。観覧前は非行少女の語からして類型的な不良少女像かと一抹危惧したが 和泉の体当たり熱演は素人のそんな予断を吹き飛ばす爆発力。相手役 浜田光夫がこれまた吉永との『キューポラ…』に劣らず抜群の伴走力見せ 19歳にして(作中設定は21歳)立て続けに女優開眼助ける天性の助演者?  脇では和泉の自堕落な父 浜村純 浜田と対立する兄 小池朝雄 板挟みで悩む母 小夜福子 浜田悪友 杉山俊夫 和泉に迫る好色な学校小使い 小沢昭一 和泉を真摯に気遣う更生施設教師 高原駿雄とその妻 今井和子ら其々適役。他 香月美奈子 北林谷栄 佐々木すみ江らはやや影薄く惜しい。施設級友役好演の 吉田志津子 大原好江 らは詳細不明。最大の事件となる中盤の鶏舎火災では 逃げ惑う鶏の一羽が火だるまに。工作かもしれないが 動物愛護等の点から現代では困難な映像かも。

↓ 鶏舎での和泉と浜田。ここにも1つあるが 作中幾つかの細かい伏線も効果的。

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なお本作は第3回モスクワ国際映画祭で高評価された由で 検索すると金賞と銀賞が混在しており 当劇場サイトでは金賞としているが どうやら銀賞が正しい模様。

 

DVD化されているがTSUTAYAではVHS版のみ。

原作者 森山啓の本は現在古書のみで 当該作『青い靴』(未読)も不詳。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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森繁久彌 左幸子『神阪四郎の犯罪』

7/25火 ラピュタ阿佐ヶ谷『神阪四郎の犯罪』(1956日活 久松静児)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/nikkatsu-bungei/sakuhin3.html#19

(ネタバレ注意) http://movie.walkerplus.com/mv24536/

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↑ (日活PR誌表紙) 森繁久彌 左幸子。本篇白黒。観覧後 原作読(石川達三 同題短篇)。映画があからさまに『羅生門』(1950黒澤明)へのオマージュ的返歌とも言える形を採っているのと同様に小説も芥川龍之介「藪の中」の形式を意識的に(これ見よがしに)踏襲し事件関係者の法廷証言のみで構成。面白いのは映画版の作りが『羅生門』のみならず 近年の『運命じゃない人』(2005内田けんじ)型手法をも採り入れ ある種その祖型のような趣が見られる点。主演 森繁は本性の判然としない鵺的人物像に最適役でほとんど素のままではとすら。但し解説にある「カメレオンのように演じ分ける」と言うのとは少し違い そうした人格変貌の落差は寧ろ被害者役 左幸子に顕著で 巧演が目を瞠らせる。証言者陣では 滝沢修 如何にも胡散臭そうな大物著述家を類型的に演じ可笑し味誘う。高田敏江 地味乍ら裏のある部下役 適演。神阪の妻役 新珠三千代と元恋人役 轟夕起子はともにやや見せ場乏しく損な役廻り。法廷に立つのはその4人で もう1人の関係者 社長(演 清水将夫)のみ証言しないのは原作と同じ。他 検事 金子信雄 弁護士 宮坂将嘉(=『事件記者』部長刑事役の) 記者 宍戸錠 杉幸彦らが目につく。

森繁の名演ばかりが語られがちのようだが ミステリー映画のユニークな先駆的試みとしての面でこそ注目されてよい作かと。DVD化されるもTSUTAYAにはない模様。

↓ 左 轟 森繁 新珠 高田。 

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武井咲 腕裂き『黒革の手帖』2話

7/27木『黒革の手帖』2話

http://www.tv-asahi.co.jp/kurokawanotecho/story/0002/

高畑淳子の「泥棒猫!」もいいが個人的にはこちら。

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次回早くも元子(武井咲)vs波子(仲里依紗)のラストバトルか。山本陽子vs萬田久子 米倉涼子vs釈由美子を超えるキャットファイト期待。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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小林旭 長門裕之『無頼無法の徒 さぶ』

7/24月 ラピュタ阿佐ヶ谷『無頼無法の徒 さぶ』(1964日活 野村孝)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/nikkatsu-bungei/sakuhin3.html#20

(ネタバレ注意) http://movie.walkerplus.com/mv21156/

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↑ 上 小林旭 長門裕之 右下 浅丘ルリ子 左下 小林旭 小林千登勢。本篇白黒。傑作。原作(山本周五郎『さぶ』新潮文庫)未知のため観覧後 読。大枠は踏襲されるも小説はより遥かに複雑展開と知る。が映画はその要所を巧みに繋げ 映像の強みにより判り易く且つメリハリ佳く纏めて秀抜。主人公 栄二(小林旭)が無実の罪で送られた寄せ場での数奇な命運を筋の軸とするのは原作と同様だが その原因となった事件の真相を巡る栄二とさぶ(長門)との愛憎が映画では格別に濃く描かれ ある意味最注目点となる。両名優の心理表現がミステリー的興趣をも深める卓抜さ。ヒロイン浅丘はやや出番少ないが 役どころに相応しい抑えの利いた存在感。助演陣 小林千登勢 小松方正 田中邦衛 高品格 深江章喜ら其々持ち味発揮 とくに脱走常習犯役 小松の渋味が光る。芦田伸介 またも顔見せ重石役。

タイトルは さぶ=長門が無頼無法の徒となるかのようだが それは衆目に訴えるための煽情策とおぼしく 冤罪に自棄となり暴力性発現するのは主役栄二のほうであり その点は原作も同じ。監督は日活アクションの名手 野村孝だが 本作は原作者 山本の作家性重視してか 今特集に相応しい文芸物色の濃い仕上がり。ソフト化は意外にもVHSのみでDVDなし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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IKKAN&ひなた日姫『群青の神々』

7/27木『群青の神々』   作 演出 輪島貴史    於 上野ストアハウス (昼の部)

『群青の神々』 | ウィンドプロモーション

http://wind-pro.jp/wp-content/uploads/2017/02/gunjou_ura.jpg

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豚蛇@pigserpentさんから教えてもらったクトゥルフ神話テーマ(!) 演劇。

その題材で果たしてお芝居成立し得るのかと一抹不安とともに観るも…これが大傑作!

主人公 葛葉正義(くずのはまさよし)は愛する妹のため異世界に旅立つがそこでは女性人格となったもう1人の自分〈オーディ〉が彷徨し のみならず数々の旧支配者が跳梁跋扈し…と複雑怪奇&荒唐無稽&深遠雄大な世界観を膨大な台詞&アクション&舞台効果で視せる魅せる。とくにふたつの次元が交錯しWアイディンティティーが同一舞台に立つ奇妙さは最初把握難解で戸惑わせるが 慣れてくると癖になる? 不可思議魅力。主演IKKAN 空間席巻するヒーロー性&多数の助演陣活かす包容力。その女性人格役 ひなた日姫(ひなたひめ) ハスキーボイス&キレある演技&終始のセクシー衣装で魅了。ある意味最大の見ものとも言える邪神群はナイアルラトホテップ始めヨグ=ソトース アザトークトゥルフ ハスターetc…の他 ウルタールの猫神やティンダロスの猟犬群や果ては旧神の王ノーデンスに至るまで登場し まるでエリシアのCCD大煌臨状態 !?…

…と これでもかと言わんばかりのクトゥルフ攻勢で驚き&快哉だが それらはある種大きな背景でもあり クトゥルフ未知でも兎に角 目くるめく幻惑性&大群像の溌剌躍動&鏤められた笑い要素&機知 等々見方は自由で 誰もが愉しめること必至。チャレンジ精神横溢企画に拍手!

 

↓ 現実&非現実&アナザーガイアが併存する複雑な相関図。(配布チラシより)

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主題歌 ↓ ひなた日姫&IKKAN。この曲もかなりカッコいい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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