山本富士子『婦系図 湯島の白梅』/『京化粧』

2/24火 ラピュタ阿佐ヶ谷婦系図 湯島の白梅』(1955大映 衣笠貞之助)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/hanamachi/sakuhin2.html#15

http://movie.walkerplus.com/mv24362/

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鶴田浩二(31) 山本富士子(24) 本篇白黒。数ある『婦系図』映画(戦前3作/戦後3作)の中でも一番観られ/知られてる作のようだ。鶴田が現在の定番イメージとも言える任侠物スターになるより10年近くも前の知的繊細な絵に描いたような二枚目の頃で実はこの人の最盛期だった由。学問の師と恋愛との板挟みになり前者を選ばざるをえない懊悩と悲哀を抑制よく見事に演じ切ってる。相手役の山本も芸者の艶とそれを棄てる一途さとの併さりがこの人でこその美と哀切。名場面(と言っても新派など観たことないが)も満幅に描かれこれぞ百年の人気劇かと瞠目。鶴田は同じ年に襲撃事件に遭っていてここがある種転換点だったか、そんな気迫が銀幕から匂い立つ。山本はこれが出世作の1つのようだが既に風格すら。なお同じ山本主演でドラマ化もされたそうだが(66)意外にもテレビではそれ1作だけの模様。

因みにこの映画に背を押され原作の泉鏡花婦系図』を今更初読み(これが手強し)種々驚かされた。大枠は踏襲されてるもののパーツはかなり違いとくに終盤の悲劇性は小説のほうが遥かに凄まじく、娯楽劇化での大幅な脚色は頷ける。.

 

 

 

2/25水 同所『京化粧』(1961松竹 大庭秀雄)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/hanamachi/sakuhin3.html#21

http://movie.walkerplus.com/mv20331/

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佐田啓二(35) 山本富士子(30) 岩下志麻(20)。60年代に入りシネスコープ&総天然色で花街映画の一番華やかな時代か。祇園&京都の情緒情景満載で主演山本も円熟期(結婚前年)、ある意味今特集のシンボル作(ポスターに使われてる ↓ )。が後半に入ると佐田が俄然ストーカー化し苦笑したくなるほどのKYぶりであっけにとらされた。芸者✖純愛は花街映画には付き物だろうが佐田の役どころはあまりの過剰キャラで少々雰囲気削がれた気も。浪花千栄子 清川虹子の嵌まりは絶妙、岩下はデビュー2年目の初々しさ、絵師役の佐藤慶はいい味出しかけてたがまたも早々に消える役で残念。

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 余談だが『婦系図』一番の見どころ湯島の白梅の段になった瞬間に「チーン」と洟をかむ人あり。げに度し難きは映画ヲタクの心理。同好の士と語り合いたくなきはこの故。独りで観独りで語るがよし。

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