菊地秀行『邪神決闘伝』

菊地秀行『邪神決闘伝』(創土社 Cthulhu Mythos Files)を読む。

http://www.soudosha.jp/Cthulhu/kettouden.html

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凄い! アメリカ西部史に有名な〈あの〉決闘+クトゥルー神話+日本の忍法! これぞ菊地秀行の真骨頂!

【(表紙裏より)砂塵吹きすさぶ大西部を舞台にクトゥルーの魔力を身につけたガンマンたちと〈おれ〉の拳銃さばきそして〈シノビ〉の忍法が一読眼を離せぬ死闘を展開する。世界に例がない〈クトゥルー・ウェスタン〉ここに誕生】

【(作者あとがきより)忍者なら私の生涯のお手本山田風太郎氏の「忍法帖」シリーズがあるではないか。あそこに登場する奇怪な忍者を大西部へと運び(中略)あの奇怪な忍法(NINPOU)を駆使させたらアメコミヒーローもびっくりの新しい大活劇が生まれるのではないか】【(同)西部小説ならクトゥルーを出してもおかしくない。内心ケケケと笑いながら私はペンを執った】

そうここで使われるのは超絶忍法だ〈忍法髪縛り〉〈忍法傀儡人〉…勿論九ノ一も登場。そしてかの神話からは呪われた港インスマスよりダゴン秘密教団さらに沈都ルルイエに夢見る主神〇〇〇〇〇──西部の大砂漠であるにも拘らず!…否わずかでも水さえあれば〈深きものども〉は侵犯を辞さぬのだ恐るべし…  しかも西部劇を血とし肉とする作家菊地秀行は拳銃描写に徹底したリアリティを求め史実ガンマンたちも写真入り( ! )で迫真を期す。西部劇(※菊地氏は「西部劇」の呼称はあくまで映画を指すものとしその世界を舞台とした活字フィクションは「西部小説」として峻別してる)と言えば映画なんて観たことなくてテレビでやってた『ララミー牧場』や『ボナンザ(カートライト兄弟)』や『ライフルマン』しか知らない子供時代を過ごしたオレは『シェーン』(菊地氏があとがき末尾の〈観ながら〉で挙げてる)や『OK牧場の決闘』(Bランカスター版のみ)すらテレビ放映で('70頃?)やっと視た程度で血や肉には程遠いからこんな世界にはほんとに憧れさせられる。しかもそこにクトゥルーって…「おかしくない」じゃないでしょ「ケケケ」じゃないでしょこんなことやろうと考え且つやれてしまうのはこの人しかいない!…

菊地秀行が斯くも真っ向〈神話〉長篇を陸続と執筆し発表する時代に立ち会えるとは、長生きはしてみるもの… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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