川島雄三『幕末太陽傳』『洲崎パラダイス 赤信号』

レンタル備忘 井手俊郎フランキー堺(進行中)各特集で観逃した(と言うよりDVD化作につき割愛した)2本 ともに著名作にして川島雄三代表作 初見。
幕末太陽傳』(1957日活) http://movie.walkerplus.com/mv25181/

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邦画史屈指の名作且つ問題作にして後世への影響多大とされるが個人的には不満多くそこまでの高評価がよく理解できず(決して面白くないわけではなくむしろ冒頭から大いに期待させられただけに)。推し測るに最大の難点は主人公に次ぐ重要な役どころ高杉晋作役の石原裕次郎がミスキャストなこと。石原も別に嫌いな俳優ではないがこれに関する限りは演技の拙さが出過ぎている(絡み多い二谷英明が巧過ぎる反動もあるが)のに加え語り草とされる台詞憶えの悪さがカットの繋ぎの不自然さとなって表われているように見える──多少の長廻しで撮れば済むシーンが石原絡みの部分に限り台詞1語1語でカットしなければならなかったためではないか──あくまで素人の勝手な想像に過ぎないが。兎に角その点が微妙乍らも全篇に負の波を及ぼしているように思えてならない。一方フランキー堺は台詞廻しの巧さ洒脱さ等余人では考えられない嵌まり役でそれだけに映画から断続的に感じられる何かしらの齟齬の印象が惜しい。

 

 

洲崎パラダイス 赤信号』(1956日活) http://movie.walkerplus.com/mv24764/

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一方これは納得の傑作。売春街絡み(舞台はその外側だが)なのが翌年の『幕末…』との連関をも思わせるがそれより兎に角俳優陣の巧さとそれを十全に活かす画面作りの完璧さに目を瞠る。新珠三千代 短い日活期代表作の由だが珍しい不埒とも言える女の表現見事。三橋達也 うだつのあがらないヒモ気質男似合い過ぎ。が最特筆は轟夕起子でこれまで観たコメディエンヌベクトルとはひと味もふた味も違うシリアスぶりに驚き。河津清三郎 いつになく気安い下町男役だが流石の巧演。井手俊郎 今回は予想外に暗めの雰囲気だが台詞&各人の性格付けの心得切った自然さは変わらず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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