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轟夕起子『雑居家族』『あねといもうと』

11/25金 神保町シアター『雑居家族』(1956日活 久松静児)

http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/himeda_list.html#movie01

http://movie.walkerplus.com/mv24642/

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↑ 織田政雄 轟夕起子 新珠三千代。このスチールは右の新珠焦点だが本篇主演は轟。撮影担当の姫田眞左久の特集乍ら個人的には『月夜の傘』『誘惑』『洲崎パラダイス 赤信号』で最近立て続けに注目させられた轟 目当て。『洲崎…』でもほぼ実質主役だが単独主演作はこの『雑居家族』が初見。壺井栄の同題小説(未読)が原作で轟 演じる主人公の女流作家は作者自身がモデルと思われ写真で見る壺井彷彿の風貌。のみならず演技も既見の上記3作に優る超好演且つ大熱演。若年時の宝塚期及び戦前は主演スターだった由だが戦後助演女優に廻ったことを考えると本作は例外的だろうがそれだけに代表作と呼んでよいのではなかろうか。また織田政雄も原作者の実の夫 壺井繁治がモデルとおぼしく(作中でも実際と同じ詩人設定)こちらも容貌相似。織田は脇役出演作多数観たがこの人もこれまでで最名演。新珠は『洲崎…』でも轟と共演し派手な元娼婦役だったが今回は地味な性格設定の抑えた役どころ。お話は主人公夫妻がやむない事情により雑居家族を成していく姿を長い回想シーン交え見事に描き尽している。但し最重要助演 左幸子伊藤雄之助があまりに厭なキャラ設定なのが難点。その点が災いし個人的には手放しで傑作とは呼べず(尤もその設定も終盤である種の伏線だったと判るが)。

原作が作者夫妻の現実の事情を描いたものか否か(つまり本当に雑居家族だったのかあるいはフィクションか)は未詳。同書は壺井栄全集に収録されている他 90年代に一度復刻された模様(現状は古書のみ)。

また轟夕起子は1967年5月に49歳の若さで物故しているが奇しくも壺井栄も同年の翌6月に病歿(67歳)。本作を思うと因縁を感じさせる。

 

 

11/26土 ラピュタ阿佐ヶ谷『あねといもうと』(1965松竹 川頭義郎)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/tokyo_eigachizu02/sakuhin3.html#25

http://movie.walkerplus.com/mv21386/

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↑ 上 岩下志麻倍賞千恵子 中村晃子 久我美子。こちらも主人公美姉妹よりもその叔母役 轟夕起子目当て(+父役 山村聰も)。轟は『雑居…』から10年近く経ち本格的に脇役女優に徹しクレジットも中位に甘んじる(トメは山村と久我)。当然出番も多くないが随所で世話好き親類の役どころをコミカルに適演。が今作でより目を惹かれたのはむしろ山村。やや厳しめのよき父親像がどんぴしゃ嵌まり当時の主演ドラマ『ただいま11人』での役柄と重なる まさに「これぞ山村聰」なキャラ確立。お話の軸は次女 倍賞の結婚話(相手役早川保好演)だが些か悲劇的過ぎる展開でその点ゆえにこれまた良作と呼ぶのが躊躇われる。監督 川頭義郎は木下惠介の直系らしく さもありなんと思わせる(観客の感情に訴え過ぎる)面が強い。長女 岩下は若干脇に廻り相手役も格下感否めない大辻伺郎(珍しく?好男子役)。三女 中村は歌手として人気爆発する直前の頃で溌剌演技見せるが出番少なめ。特集テーマ(東京映画地図2)との関わりとなると田園調布上流家庭舞台の設定以外はなく少々弱い。

 

轟夕起子はその特徴ある芸名を60年代のテレビで時折聞いた記憶があり検索すると『ジェスチャー』『それは私です』等に出演歴あるそうなのでそれらの番組で視たものと思われるが具体的な印象までは脳裏になく残念。

早世は惜しい限りだが子息 マキノ正幸沖縄アクターズスクールを設立し多くのスターを輩出していることを思うと轟の遺産はある意味で今も芸能界で活き続けていると言えるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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