田宮二郎『黒の爆走』

6/3(日) ラピュタ阿佐ヶ谷『黒の爆走』(1964大映 富本壮吉)〈「黒」の大映〉再訪。

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/black/#05

(結末あり注意) https://movie.walkerplus.com/mv21120/

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↑ 上 田宮二郎 藤由紀子 中 滝瑛子 下 藤巻潤。白黒。傑作。シリーズ初のオリジナル脚本(船橋和郎 小滝光郎)。「黒」系では犀利沈着キャラ多い田宮が珍しく血気盛ん過ぎる白バイ警察官役熱演。冒頭&終盤クライマックスで迫力のバイクチェイス劇あるがどこまで本人挑戦かは未詳。ヒロイン 藤は婚約者役で田宮の無許可私的捜査に協力。その兄役 藤巻はそんな田宮を諫める親友兼刑事役だが 実動活躍はなく惜。寧ろ目立つのは悪役の中心 千波丈太郎で 怜悧さも具えた色悪好演。当シリーズ常連だが個人的には翌65年の『大捜査網』に次ぎ注目。弟分役 大川修 工藤堅太郎も嵌まり。滝は千波情婦のドライな水商売女役。出番僅か乍らボス役 中条静夫。田宮隣人役 大辻伺郎 いい味。監督 富本 唯一の「黒」登板作だが 邦画史随一のサスペンス演出力発揮 流石(一大傑作『夜の罠』は3年後67年)。VHSのみで未DVD化。

 

余談。本作では「オトキチ」と呼ばれる人々の存在が鍵となるが 「カミナリ族」の語はまだ使われず あくまでバイク遠乗り愛好者の域と思われる(オトキチは現代でもその意味で普通に使われている模様)。カミナリ族なる呼び方が社会現象化し始めるのは昭和40年以降頃つまり奇しくも本作直後ぐらいからのようで 作中でも 千波 大川 工藤らの演じる不良系ライダーがそちらへ自然転化して行ってたとしても全くおかしくない様相(実際 彼らの悪質なスピード違反が本篇発端となる)。とすれば ひょっとするとこの映画がそんなブーム端緒の一部を担った可能性もなきにしもと… (所謂「暴走族」 はさらに10年後の昭和50年代=1975以後の発生らしい)

因みにバイクでのヘルメット着用義務化は本作翌年の1965からだが ここでのオトキチ衆は千波らも含め常時装着運転する設定で 却って白バイ警官の田宮がプライベート時に偶然見かけたスピード出し過ぎバイクをヘルなしで追おうとするシーンがあるのがご愛嬌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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