伯方雪日『ガチ! 少女と椿とベアナックル』

伯方雪日『ガチ! 少女と椿とベアナックル』を読む。

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格闘技本格ミステリ作家伯方さんの長篇2作目は原書房から。

やられ役プロレスラーだった父を亡くした少女〈つくし〉。そんな父の生前の姿から、つくしは格闘技に惹かれながらも〈プロレス〉を好きになれない。そこに起こる少女連続殺人。事件とプロレスは果たしてどうリンクしていくのか──

前にも旧ブログで書いたが、伯方さんは筋金入りの〈総合格闘技〉好きだ。その嗜好(志向)が今回も作中に随所に顔を見せてる。でも総合と入れ子のような深い関係にあるプロレスの世界は決して無視できない。そんな作者自身の懊悩が今回も底辺にある。それは解決することのない永遠のテーマなのかもしれない。それを考え続けられる限り、作者は格闘技ミステリをずっと書き続けられるだろう…

…なんて大袈裟なことはいわずとも、とにかく少女連続殺人とプロレスをどう関わらせそれをどう〈本格ミステリ〉として料理するのかという1点だけでもこの作品は面白く読める。前作『死闘館 我が血を嗣ぐもの』(創元ミステリ・フロンティア)は海外舞台のかなり破天荒な世界だったので、今作はドメスティックになってスケール感は抑えられたかもしれないが、その分贅肉を削ぎ落としたようなテーマへの先鋭化がある。その表われの1つがヒロインの少女つくしの魅力だ。男の子みたいに勝気でありながら犀利な〈探偵〉。でもよくいる逸脱や偏向を武器にする名探偵とは全然違って、真正面から〈ガチ!〉でいく。このキャラはいいよ。この子でシリーズやったら面白そうじゃない? いやもう考えてるのかもしれないけど。

 

ってことで伯方さんありがとうございました!

ガチ!: 少女と椿とベアナックル

ガチ!: 少女と椿とベアナックル

 

余談だが(これも前に書いたが)おいらは伯方さんとまるで違ってプロレス好き──といいたいところだが、三沢光晴が亡くなってからもうどうでもよくなっちまった。でも昨夜晩くたまたま新日見たら中村真輔出てて負けたけど面白かったよ。どうも根が単純だからか〈ガチ!〉かどうかよりやっぱ見てて楽しけりゃそれでいいってことかな。また見てもいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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