映画版『事件記者』その1

ラピュタ阿佐ヶ谷〈『事件記者』BUNYA-SPIRITS〉

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/jikenkisha/

f:id:domperimottekoi:20140131190007j:plain

↑ 入口前のポスター。写真は警視庁記者クラブ内「東京日報」詰所。左下永井智雄(キャップ)、その上園井啓介(ヤマさん)、中央大森義夫(ハッタさん)、その右原保美(ベーさん)、沢本忠雄(映画版のみ)、綾川香(アサノのダンナ)。ここには写っていないが「東京日報」でもう1人欠かせないのが滝田裕介(イナちゃん)。※綾川香=現綾川志剛。

1/20『仮面の脅迫』【新聞の誤報記事によって痴漢犯の汚名を着せられた男性が自殺、桜田記者クラブを衝撃が襲う──。シリーズ第三作の題材は「誤報問題」。責任を感じた記者たちは各社一丸となって事態に取り組み、やがて意外な真相に辿りつく。 】

1/20『姿なき狙撃者』【高級アパートに侵入したアベック強盗、逃げた男は恋人の釈放を求めて警官殺害を予告!東京日報への脅迫電話に始まり、続く犯人からのコンタクトはやがて助けを求める声に──。沢本忠雄がお手柄の第四作は、オトボケ山田吾一の食ネタも充実。】

1/31『影なき男』【月島で発見された他殺体。事件の裏には偽ドルが絡んでいるらしい──。第五作では、おなじみペンの猛者たちが姿なき四本指の男を追って贋造ドル団に挑む。ハネムーン先でも事件を追いかけるイナちゃん・滝田裕介の女房泣かせな仕事ぶりがGOOD。】

1/31『深夜の目撃者』【タクシー運転手が毒入りケーキで死亡した同じ夜、郵便局に強盗が押し入って当直局員が殺害された。検出された指紋の一致──。クリスマスムード真っ只中、二つの事件を結ぶ糸を探りながら記者たちは特ダネを狙う!ますます快調の第六作。】 

先ず何を措いても最注目なのは「東京日報」キャップ役永井智雄の科白回しの名調子! 上のポスター写真でも受話器を持っているが5つ6つもの電話を駆使して部下や本社に電話しまくりスクープを指揮する。「へいへい」「それからね」「旦那方もうひと頑張り」。滑舌、長科白、早科白、ナチュラルさ、リアリティ、どの面でも完璧、もう笑ってしまうほど凄い。これを視/聴くだけでもこのシリーズに触れる価値がある。映画版では日活のホープ沢本忠雄をクレジット上トップにしているが実質主演格はやはりこの永井で、脚本演出も当然それを心得た作りになっている。また沢本はテレビ版には出ていないのに主演扱いということで違和感を言うファンがいるようだがそれはちょっと違う。逆に映画版のみの投入なのに絶妙な溶け込み具合に驚いたほど。当然沢本自身テレビ版のファンの存在は誰より意識していたはずで、目立ちすぎぬよう気配りと気配消しに努めているのが見受けられたし(実は裏方志望だったらしいのでその表われか?)、共演陣やスタッフもそこを汲んで巧みに団結しているのが伝わり好感を持てた。とくに『深夜の目撃者』ラストで沢本と山田吾一(ガンさん)が男2人だけのクリスマスを祝うシーンは秀逸。また『影なき男』ではやはり日活ホープ待田京介が温泉宿の若旦那役でコミカル味を出しているのが異色。59年の映画なのでTBS連ドラ『月曜日の男』(61年から)に主演する前になる。

 

音楽は三保敬太郎担当の小洒落たジャズ系だが、やはりテレビ版での史上屈指の名オープニング曲を何とか使ってほしかった気はする、いろんな関係で難しかったのかもしれないが。そのテレビ版主題曲 ↓ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.