ここ ↓ の末尾の余談にも書いたが…
http://domperimottekoi.hatenablog.com/entry/2013/10/07/030952
オレより若い人たちがオレ世代のテレビにオレより詳しいってのはほんとに悔しい。とくに尾之上浩司氏は悔しがらせの最たる人で、『ウルトラQ』などの原型となったオレの知らないアメリカのSFホラードラマの世界を知悉しまくっているのだ、本来ならド真ん中世代であるはずのオレが全く知らないものを(つまりそれだけオレがド真ん中じゃなかったってことだが)。で『世にも不思議な物語』というのもそのクチらしい。えっ、そんなのも日本でやってたの? と思って検索するとたしかにやってた『ワン・ステップ・ビヨンド』のタイトルで60年代の直前ぐらいに(※のちに『世にも不思議な物語』に改題)。なんだ、その頃ならオレまだ物心つくかつかないときでしかもウチにはまだテレビがなくて近所の裕福な家や学校に時々見に行ってた程度の時代だ、視てなくても知らなくても無理ないじゃん…が尾之上氏は知ってるのだテレビのあるなしどころかこの世に生を享けてもいない時代のはずなのに! …全く悔しいったらありゃしないわけだがそれは兎も角、今般尾之上氏からいただいた本『世にも不思議な物語 世界の怪奇実話&都市伝説 One Step Beyond』(レノア・ブレッソン 扶桑社ミステリー)は往年のその名作テレビシリーズのノベライズの訳出とのこと。そしたら書店にそのシリーズのDVDがあって気になったのでつい買った。
それで本書を読んだあとDVDをちょっとだけ見てみた。するとこれが面白いんだな独特の雰囲気で。つまり何というのか…要は不思議を不思議として不思議がる、というラインで統一されてるようでそこがイイ。つまり世のSForオカルト物には不思議だ!という感覚を楽しむのとそうじゃないのとあるわけだ普通なら。つまり不思議が〈ある〉ことを前提としてしまって(つまり不思議でも不思議がらず)その先を楽しむ話も普通ならある(ウルトラマンや怪獣映画全般がそれにあたる)ところを、この『世にも…』は徹底して〈不思議〉に驚き〈不思議〉を怖がる。しかも肝心なのはその真偽を追及し始めないこと。言わば京極堂の「不思議などないのだよ」が実は「不思議は不思議でいいのだよ」の裏面にすぎないってことを理解してるんだなこれは。…なんて言い出すとややこしくなるからやめとくが、とにかく都市伝説好き陰謀論好き(はちょっと違うか)なオレなんかには凄く合いそうなのでこれからもっと見てみる。本のほうも映像シリーズのその部分のよさが巧く踏襲されてる。個人的には「クララからのメッセージ」「呪われた花嫁」「再会」「サリーに会ったときは」などが好み。巻末に菊地秀行 平山夢明 黒史郎3氏+尾之上氏司会の座談会があってこれがまた面白い。それによると本書の企画にはどうやら菊地氏の後押しがあったらしい。それこそド真ん中世代の上にこの分野紹介のパイオニアの人だからむべなるかな。

世にも不思議な物語 世界の怪奇実話&都市伝説 (扶桑社ミステリー)
- 作者: レノア・ブレッソン,尾之上浩司
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2014/08/31
- メディア: 文庫
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というわけで尾之上さんありがとうございました!
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