宇津井健『黒の商標』/越路吹雪『踊る摩天楼』

上京。ラピュタ阿佐ヶ谷ではミステリー特集佳境、神保町シアター歌謡映画特集開幕、シネマヴェーラ渋谷は依然佐分利信特集と、仕事になりそうにない東京の秋。

10/28火ラピュタ阿佐ヶ谷『黒の商標(トレードマーク)』(1963大映 弓削太郎)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/mystery2014/sakuhin3.html#21

(※ネタバレ注意→) http://movie.walkerplus.com/mv20998/

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↑ 三島雅夫 藤由紀子 宇津井健大映の看板〈黒シリーズ〉の1本だが実は怪作(あまり使いたくない呼び方だが)。後年の2サス顔負けの読め過ぎ&フラグ立ちまくりの展開と思いきやクライマックスで引っ繰り返した。あんな怒濤のスペクタクルが来るとは。がもっと肝心なのはあれだけ先が読める話にも拘らず終始手に汗握らせるサスペンスが持続する点。パターンを活かすとはこういうことだ。短い出番ながら浜村純が怪演。

 

同日神保町シアター『千万長者の恋人より 踊る摩天楼』(1956松竹 野村芳太郎)

http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/showa_m_list.html#movie03

http://movie.walkerplus.com/mv24932/

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高橋貞二(主人公の親友役) 浅茅しのぶ(主人公の見合い相手役)。本編カラー。

表の主演は川喜多雄二だが裏の──というより真の主演は姉役の越路吹雪で、映画自体もストーリー部分よりショー&パフォーマンスに圧倒的に金と手間をかけ、お話は添え物に過ぎない。寝不足気味の頭はヌル過ぎな展開に舟を漕ぎかけたが、越路の歌と踊りになるやパチッと覚醒。とくに歌なし&踊りだけで魅せる1曲に瞠目、本領に触れた感。朝丘雪路も踊りは流石のキレ。大木実が唄ってるの初めて見た。どうせなら退屈な筋運びであんなに引っ張らずもっとミュージカル映画に徹したらいいのにとすら。が野村芳太郎の多彩をまた1面垣間見。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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