神楽坂はん子『お月様には悪いけど』/山田五十鈴『流れる』
2/28土 ラピュタ阿佐ヶ谷『お月様には悪いけど』(1954日活 堀池清)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/hanamachi/sakuhin2.html#18
http://movie.walkerplus.com/mv24052/
↑ 左端 神楽坂はん子(23)1人置いて若原雅夫(社長秘書)後方 東谷暎子(その恋人)。このスチールにいない社長役 十朱久雄(46)が神楽坂と実質W主演だが、気立てのいい人気芸者と口八丁の女詐欺師のガラリ違う2役を演じ分ける神楽坂がやはり光る。勿論歌も披露。沢村貞子(46)が悋気+強気な社長夫人で嵌り役。山村聰(44)顔見せ出演、神楽坂の師匠 古賀政男(50)カメオ、プロレス興行会社舞台に因み力道山(30)も。肩の凝らない王道軽喜劇。個人的にはまさに観たかったタイプの映画で楽しめた。
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/hanamachi/sakuhin3.html#20
http://movie.walkerplus.com/mv24904/
↑ 左上から 高峰秀子(32) 岡田茉莉子(23) 栗島すみ子(54) 杉村春子(50) 山田五十鈴(39) 田中絹代(47)。 本篇白黒。このポスターや主要スチールでは扱いの大きさや名前の序列から高峰あるいは田中主演と見られがちなようだが、実際は圧倒的に山田の実質主演で、高峰は娘役(7歳しか違わないので本当は無理があるが)として時折絡むに過ぎず、女中役田中も視点人物or狂言廻しと見られているが実はそこまで至らない1脇役の域。杉村と岡田が酔いに任せて派手に踊り出すシーンがあり一番のハイライトなのはたしかだが、総じて見ればそこもあくまで脇の見せ場。全てにおいて中心は山田であり、斜陽に喘ぐ置屋の維持に腐心しつつも芸者としてあるいは一家の主としての姿を崩すことなく生き抜く女の存在感は終始見事。終盤三味線の腕前も披露。山田の映画は2年後の『悪女の季節』を観てるだけなのでもっと機会が欲しい。
にしても花街映画なのに女優陣が全員冒頭から不景気な顔と物言いしててどうなることかと案じられたが、観終えてみれば色々発見もありよかった。
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