片岡千恵蔵『三つ首塔』/古谷一行『三つ首塔』
3/27金 神保町シアター『三つ首塔』(1956東映 小林恒夫 小沢茂弘)
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/yokomizo_list.html#movie09
↑ 片岡千恵蔵 高千穂ひづる。本篇白黒。多羅尾伴内に続き片岡版金田一耕助も初だがこれはいきなり最終作とのこと。原作既読。小説版のギラギラした毒々しさは抑え気味だが真相ツイストのアレンジが秀逸で迂闊にも騙された。ラストのスペクタクルや多羅尾物とのダブりイメージも魅せどころ。当然他作も観たいがこの片岡金田一シリーズは未ソフト化のようで残念。終映後 千街晶之さんとバッタリお会いす。
帰宅前に1977ドラマ版も視直したくなりTSUTAYAでレンタルし38年ぶり(!)視聴。
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-15898
4回連続物なのでぶっ通しで視ると計3時間と超大作映画並。こちらは欲望渦巻くどぎつさがある種原作以上に濃厚。中でも上品さと妖艶さ併せ持つヒロイン真野響子の爛演が語り草物。仮面+網タイツの真野と黒沢年男 ↓ 。
米倉斉加年 小松方正 小池朝雄 ピーター 佳那晃子ら怪演陣も見もの。
茶木みやこ「幻の人」バック映像 ↓ 旧家外壁を回り込む古谷一行。ここ好き。
…ところで個人的に非常に残念であり謎なのは、わずか2年に過ぎなかったこの初期横溝シリーズを経たのち80年代~00年代と20年以上も(!)続いたという後期2h枠シリーズをなぜか全く視ていないらしいことorz(あるいはたまに視てても記憶から洩れてるのか)。ところが時恰も…
その後期金田一が今般初期シリーズDVD再発売と併せて全作順次出されるらしい!
http://publications.asahi.com/kindaichi/#kinNavLineup
そちらにも未見の『三つ首塔』がある。これはもう逃さず揃えるしか手はない?!
最後にひとつ文句だが『横溝正史映像読本』(洋泉社)、至るところ不用意なネタバレのオンパレードなのはどういうわけか? 分析評論とかの書ならいざ知らずガイドブックでこれは困るだろう、労作なだけにあまりに勿体なし。
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