中田康子『アスファルト・ガール』

4/17金 ラピュタ阿佐ヶ谷アスファルト・ガール』(1964大映 島耕二)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/dancing_singing/sakuhin3.html#22

http://movie.walkerplus.com/mv21174/

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↑ サントラ盤ジャケ 中田康子 坂本博士。とにかく驚くのは中田。『怪談蚊喰鳥』『黒の駐車場』の妖艶悪女役の顔しか観ていないのでここでの唐突なほどの歌 踊りの巧さに瞠目し、あとで調べて初めて宝塚&日劇ダンシングチームを経た手練れと知りさもありなんと。この人がこの映画で主演したのには裏事情ありとの通説らしいが、肝心なのは作品がどれだけ楽しめるか出来がいいかなのでそんな背景は個人的にはどうでもいい。その意味で『有楽町で逢いましょう』での印象が悪かった島耕二に期待していなかっただけに、専ら目当てだった中田の魅力満開は望外の結果で大満足。『有楽…』は脚本が不味過ぎたためかと反芻も。中田は歌もいいがとくに踊りが凄く、危うい足場でのタップダンスといい男性2人の手を借りてのとんぼ切りといい圧巻のキレ味。終盤尾藤イサオもソロで1曲披露。当時21歳の尾藤は既にブルー・コメッツで唄っていたとのことだがレコードデビューした前後で全国区ではまだ無名だろう、個人的には『7時にあいまショー』等で目を奪われた時期でその片鱗パフォーマンスをこの映画で魅せてる。

時代的には英米でビートルズ人気が高まり日本でもザ・スパイダースがデビューする前年でやがて来るGSブームの下地が醸成されつつあった頃で、そんな一大転換期の直前にこんな『ウエスト・サイド物語』然なミュージカルをアメリカから振付師呼んでまで撮るのはある種逆行的ですらあり冒険だったろう、それだけに高完成度も含め貴重作。中田はこれを置き土産?に引退へと向かった模様で惜しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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