若尾文子 田宮二郎『爛』
7/15水 角川シネマ新宿『爛(ただれ)』(1962大映 増村保造)
http://www.cinemakadokawa.jp/ayakoseishun/title_ta.html
http://movie.walkerplus.com/mv20531/
若尾文子(29) 田宮二郎(27)。この2人による主演作観るのは初。これまで観た若尾主演作まだ少ない中で個人的最高作は『夜の罠』(67)だが演技者としての若尾はこれが出色。タイトルに恥じない?凄絶なまでの修羅場映画だが激しく強く且つ成熟と頽廃も具えた女をここまで爆発的に表現しているのには驚かされる。田宮も既見作は成功欲に燃える男ばかりだったので色欲演技見たのは初。若尾姪役 水谷良重(23 のちの八重子)は翌年のショー映画『踊りたい夜』のイメージが強かったのでここでの小悪魔娘役は新鮮。田宮正妻役 藤原礼子(30)も熱演(『悪名』シリーズでも田宮女房役とのことだが未見)。またこの映画の特徴は台詞が場面に応じて非常に自然且つ巧みなところ。脚本の新藤兼人はたまたま一昨日観た『大いなる驀進』も担当し類型的なキャラクターが多く(映画の性格によるかもしれないが)やや不満だったが今作で見直した。
余談だが作中で68歳の人を指して「長生きだな」という田宮の台詞があって当時でも平均寿命そんなに低くはなかっただろうにと。因みに田宮自身は享年43歳。
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