盆過ぎ上京後初の神保町は生憎の小雨。
8/31月 神保町シアター『若草物語』(1964日活 森永健次郎)
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/ashikawa_list.html#movie05
http://movie.walkerplus.com/mv21381/
↑ 浅丘ルリ子(25) 吉永小百合(19) 和泉雅子(17) 芦川いづみ(29)。本篇カラー(デジタル上映)。同題の洋画(全て未見)およびその原作(未読)からは4人姉妹という大枠を借りるのみでほぼオリジナルストーリーの模様。冒頭から大阪弁設定でセミコメディタッチ、どうやら最盛期日活の誇る4大美人女優を揃い踏みさせるのが眼目のお祭り映画か──という予想は浅はかに過ぎた。観終わってみれば大傑作! 恋愛による姉妹間のもつれという判り易いテーマが却ってストレートに迫り終盤にはサスペンスに近い感興さえ生む。恋愛物でこれだけ手に汗握るのは珍しい。脚本がいいのは勿論だがここまで高まるのはやはり演出の巧みさが大きいはず。それに完璧に応える俳優陣も流石としか。とくに中心となる浅丘 吉永の名演は年齢を考えると驚異的。決して過剰にはならない細やかな機微のひとつひとつが目を瞠らせる。和泉は狂言回し的役どころ(いつも乍ら)だがこれまた若さを思うと達者。特集女優芦川は極端に出番少なく案じられたが最後に魅せ場あり。
男優は上のポスターでは浜田光夫(モテ設定過ぎ)と山内賢のみだが山内は今回はちょい役程度で実際は和田浩治が浜田ライバル役で大熱演。山内はヤング&フレッシュのバンド仲間である和田の友情出演とおぼしく『二人の銀座』以来久々見た杉山俊夫も同様。吉永が劇中歌1曲唄うが歌謡映画の域までは行かず。
VHSが出たことはあったようだが意外にも未DVD化。個人的にはこれまで観た吉永出演作中で最高。『キューポラのある街』よりずっといい。
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