9/3木 ラピュタ阿佐ヶ谷『ギャング同盟』(1963東映 深作欣二)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/toei-gendaigeki/sakuhin4.html#31
(※ネタバレ注意→) http://movie.walkerplus.com/mv20969/
↑ 左から平幹二朗 佐藤慶 内田良平 アイ・ジョージ 曽根晴美 左上 三田佳子。本篇白黒。リアル&シリアスと評する向きがあるがそんなことはない。日活アクションや片岡千恵蔵主演ギャング物等に比べれば多少地に足がついてるかのような味付けがある程度で基本は荒唐無稽上等。兎に角理屈抜きの面白さ。設定 展開等後年の『いつかギラギラする日』を思わせる節も。また小人数がでかいヤマに挑むパターンは同年の石井輝男『暗黒街の顔役 十一人のギャング』と同型だが出来は甲乙つけがたくともに秀逸。終盤の原野の廃屋での立て籠もり&大銃撃戦はもろ西部劇ノリ。唖然物の結末はネタバレ厳禁。
アクションの痛快さ豪快さが勿論最大の見どころだが意外に(?)俳優陣の演技合戦が凄い面も『十一人…』に似通う。但し演技と言っても自然さや微妙な機微等とは無縁のオーバーアクション横溢でより舞台劇的。最注目はこれが初主演の内田良平。助演代表作らしい『十三人の刺客』(未見)と同年だが個人的には既見作(『新吾番外勝負』のニヒルな浪人や『怪談昇り竜』のフザけた赤褌ヤクザ等)での突き抜けっぷりが忘れ難く今作での破天荒な悪党も嵌まり役。佐藤慶もいいがのちの名悪役戸浦六宏も熱演。楠侑子とともに少ない女優陣の一角三田佳子は組織大ボス(薄田研二)の娘役で『いつか…』の荻野目慶子に通じる破滅型キャラ。
アイ・ジョージは特別出演で出番はわずかだがジョージ川口(若い!)のバンドを背に唄う「硝子のジョニー」「聖者の行進」が絶品。とくに「聖者…」はキレのいいツイストまで魅せるサービス。今週末より神保町シアターで日活版『硝子のジョニー』(62芦川いづみ主演)が上映されるがそちらでもアイ・ジョージ本人が出演し当然同曲唄うはずなので是非観たい。