中川信夫『八百万石に挑む男』『三四郎』

9/26土 ラピュタ阿佐ヶ谷『八百万石に挑む男』(1961東映 中川信夫)

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↑ 上 市川右太衛門 下 中村賀津雄(現 嘉葎雄) 右下 桜町弘子 徳大寺伸 河原崎長一郎(?)。

右太衛門映画ようやく2作目。傑作。筋立てがある程度判っていながらも惹き込まれるのは名優たちによる名演合戦の烈しさ故。とくにクライマックスの天一坊真贋談判での右太衛門×山村聰×河原崎長十郎 3者3様による鍔迫り合いが最見どころ。中でも大岡越前役の長十郎は初見だが右太衛門の豪壮さとは異なる一見恬淡ながらの秘めた気迫に瞠目。天一坊役の賀津雄はコメディ作では林家三平(現)に見紛うこともしばしばだがこういう役では流石に引き締まる。長十郎の長子 長一郎(後年テレビでも活躍)が短い出番ながら鍵となる青年僧役。

因みにドラマでの天一坊で印象にあるのは何と言っても『男は度胸』(71)の志垣太郎。凛々しさとそれ故の悲劇性でこの人に優る嵌まり役は想像できないほど。山内伊賀亮役 寺田農は右太衛門とは大きく違う危うさがむしろよかったように記憶。右太衛門という人は『旗本喧嘩鷹』のときも思ったが些か立派過ぎる嫌いがあり(無論役柄にもよるだろうが) 同じく貫禄俳優でいながらどこか滑稽味を漂わせる片岡千恵蔵に比しやや損なのかも──もっと多作観ないと早計の誹りだが。

 

 

 

9/25金 同所『三四郎』(1955東宝 中川信夫)

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山田真二 八千草薫。冒頭からの淡々とした独特のタッチに惹かれたもののそのあまりの淡々さに不覚にも睡魔に襲われ──いつもなら抗するところだが同日イベント2つ控えていた(しかも1つはオールナイト)こともありままよと屈した──ために中盤朧。が昔読んだ原作には概ね沿った印象。機会あれば見直したい。八千草の美貌もさることながら山田の二枚目ぶりが清冽。歌で『哀愁の街に霧が降る』のヒットがあるが映画ではなぜか不遇に終わったようで惜しい。

タイトル『夏目漱石三四郎』とする例もありどちらが正しいか不詳。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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