1/12火 シネマヴェーラ渋谷『失われた時』('The Lost Moment' 1947米 マーティン・ゲーベル監督作) http://www.cinemavera.com/programs.php
↑ 上 スーザン・ヘイワード 下 ロバート・カニングズ。気になっていた日本未公開作の最終日なので逃すまじと出かけたらその甲斐ある驚きの傑作。所謂怪奇映画の類型とは些か異なる独特の典雅にしてサスペンスフルな展開が終始目を釘づけに。『ねじの回転』のヘンリー・ジェイムズ原作(岩波文庫『アスパンの恋文』未読)とのことで人間精神の奇怪な秘密に触れている点が如何にもと思わせる。過半カニングズとヘイワードの2人劇と言ってよく両者とも拍手物の名演。とくに難役に挑んだヘイワード見事。妖しくも広壮な古館のセットも効果的。日本でもソフト化流布あれかし。
併映 ジャン・ギャバン主演『望郷』(1937仏)。古典的名作だがプリントに難(英訳字幕に日本語字幕が重なるため甚だ読み辛し)あるのが惜しい。個人的にはエト邦枝 緑川アコらによる傑作歌謡曲「カスバの女」のヒントとなったとされる点にとくに関心。
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