岡田茉莉子『女舞』
3/5土 ラピュタ阿佐ヶ谷『女舞』(1961松竹 大庭秀雄)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/geiniikiru/sakuhin1.html#10
http://movie.walkerplus.com/mv20059/
岡田茉莉子(28) 佐田啓二(35)。傑作。初めて岡田の真骨頂に触れた。とくに役柄上の「踊り」が稽古&舞台本番シーンともに再三あり素人目にも単に美貌故でない芸の流麗さに感嘆。舞台は本物の大きな劇場を使ってるとおぼしい豪華さ。演技面では肌の露出や絡み等直接的な愛欲シーンが全くないにも拘らず女の官能を見事に表現しそれが舞い踊る姿の美とも重奏する。相手役 佐田は得意とする癖の強過ぎる二枚目が嵌まるが意外と出番は短くほぼ岡田単独主演の感。岩下志麻(20) やはり佐田と共演した同年の『京化粧』(山本富士子主演)よりは意味ある役どころ。岡田後見人役 宮口精二(48) 既見出演作中では最好演。弟子役 杉田弘子(27) 同僚役岩下を食う熱演だが翌年結婚引退したそうで惜しい。劇中舞踊を女形姿で踊る七代目尾上梅幸(46 現尾上菊五郎父) 名のみ知るが映像は初見。但し化粧のため実貌見えず。
パンフレット? ↓ に「文芸大作」とあるがまさにその観。戦後邦画での所謂「文芸映画」なるものがいつ生成したかについては無知だが雰囲気&実質の完成パターンとしてはどうも50年代末~60年代初頭(つまりちょうど今作の頃)のような気が。
同題の原作(未読)は 円地文子&秋元松代共著で当時『女舞』ブームを巻き起こしたそうだが現在新刊本はなく古書のみの模様。やや食指。
但し映画はDVDあり。
.