谷啓『図々しい奴』『続 図々しい奴』

sラピュタ阿佐ヶ谷 5/4水『図々しい奴』(1964東映 瀬川昌治)

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5/8日『続 図々しい奴』(1964東映 瀬川昌治)

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http://movie.walkerplus.com/mv21221/

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↑ 上 正篇 谷啓 佐久間良子 下 続篇 長門裕之 中原早苗 杉浦直樹

50年代終盤の加東大介『大番』シリーズと大枠似通うところ多し。主人公のアンコ型風貌 常に前向きで愛嬌に満ち人に愛され 終始方言を使い都会人化しない性格 商才と時代感覚に優れ急激に躍進 その一方で成功だけでなくむしろより大きい挫折に見舞われるところ 頼みとする存在との決して裏切らない信頼関係(『大番』では仲代達矢 本作では杉浦) 病弱なマドンナ的存在との高潔純粋な愛情関係(『大番』原節子 本作 佐久間) そして何より個人の物語と言うより先般の大戦を挟んだ動乱の社会史になっている点。が当然両作其々の味があり殊更比較して良否を問うも野暮。

正篇では顔見せ程度だった長門が続篇では強力ライバル化するのが面白い(光クラブ山崎晃嗣がモデルらしい)。その代わり続篇は抑留設定の杉浦の出番が少な過ぎ残念。孤児 麻理耶(のちに谷正妻となる)役 上原ゆかりから中原早苗へのバトンタッチは些か唐突だがご愛嬌か。正篇での指南役 西村晃が事情あってか続篇では多々良純に(多々良は『大番』でも主役を故郷から支える役どころ)。驚いたのは続篇での谷の右腕役 南廣。『点と線』(1958)で主演級ながらあまりの棒ぶりに唖然とさせられたが(『警視庁物語 遺留品なし』(59)ではレギュラーながら全く活躍なかったし) ここでは別人かと思うほどの溌剌コミカルさ発揮。とくに兵站での谷との絡みは本シリーズ随一のスラップスティック。元々はミュージシャンらしいが多数の脇役経た数年での成長か。

各種映画紹介では続篇に柴田錬三郎(原作)と水上勉二等兵役でカメオ出演とされているが柴田が演じたのは谷と上原との仮祝言の仲人役と思われる。元校長との設定で高砂ひと節唸る。水上は見逃し不詳。

 

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『図々しい奴』初映像化は1961松竹版(未見)で主演がのちにこの東映版で助演にまわる杉浦直樹なのが意外。谷啓の本シリーズは元々前年の連ドラ版がヒットしたのがきっかけでそちらの主演は丸井太郎だったが映画化に際してドラマ版で主題歌唄った谷が起用された由。クレージーキャッツを各社へバラ売りしたいナベプロの思惑と大映専属の丸井を起用できない東映の意向とが合致しての配役らしい。谷はこの初主演シリーズが大ヒットしてコメディ映画スターの地位を固めたが一方の丸井は映画界で活躍できず失意のうちに早世したそうで悲哀。

 

そのドラマ版の主題歌 ↓  が映画版でもそのまま使われている。

テレビから直接録音したもので極めて聴き辛いが貴重。植木等東宝系主題歌群と同じ青島幸男 萩原哲晶 作でわざと某曲に似せたとおぼしいパートがあるのが可笑しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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