7/8金 神保町シアター『肉体女優殺し 五人の犯罪者』(1957新東宝 石井輝男)
天知茂特集 最終日最終上映作 (デジタル上映)
http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/amachi_list.html#movie12
(※ネタバレ注意→) http://movie.walkerplus.com/mv25301/
↑ 主演 宇津井健 2001年発売DVDジャケ(現在絶版 中古のみ出回り)。
同じ石井×宇津井コンビによる『スーパージャイアンツ』シリーズの合間に撮られたと言う「これぞ新東宝」なまさに怪作と言うべき1本。一応謎解きミステリー仕立てで真犯人は結構意外(劇場サイトで使われているスチールはネタバレなので注意)だがそこに辿り着くまでの展開が後年の大映テレビor2サス調の祖型を思わせるコテコテぶりで突っ込みどころ満載 終始苦笑堪えざるを得ず──と言っても勿論それ込みで楽しむ作品で宇津井の能天気な正義漢ぶりもそこにピタリ嵌まる。が実のところストーリーなどは味付けに過ぎず? 最見どころは何と言っても横溢するエログロ感とその軸となる浅草ストリップ劇場の濃厚な雰囲気にある。エロもグロも実際にはさほど激しいシーンがあるわけではないにも拘らずそう感じさせるのはやはりその点に賭けた映像創りの冴えか。ヒロイン格 三ツ矢歌子も際どい衣装で肢体美魅せるがより目を釘付けにさせるのは豊満なヴァンプ美を撒き散らす三原葉子で踊りも堂に入る。高倉健と共演した後年作『暗黒街の顔役 十一人のギャング』(63)でも印象強くあり。特集俳優 天知茂は眼鏡に七三分けの見るからに怪しい鍵となる役どころ。脇での怪演の光り方は岸田森に通じる。こののち『憲兵と幽霊』『女吸血鬼』『東海道四谷怪談』(ともに中川信夫)等で怪奇俳優として開花したことも次世代となる岸田を思わせる。
(※ ↑ 別作品より)
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