7/10(日)ラピュタ阿佐ヶ谷『河口』(1961松竹 中村登)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/idetoshiro/sakuhin2.html#19
http://movie.walkerplus.com/mv20189/
↑ 岡田茉莉子 山村聰 田村高廣。本篇カラー。このスチールや上のポスターのクレジットを見ると主演岡田の相手役は田村であるかのようだが然に非ず 田村の出番は後半だけで短い(役どころは一応重要だが)。相手役と言うなら山村こそがそうでその関係性の奇妙さがこの映画の一番の見どころ。と言うのはここでの岡田と山村は男女関係になく純然たるビジネスパートナーでそんな2人がいがみ合い乍らもなぜか巧くやっていく凸凹コンビ?的可笑しさを井手俊郎が自家薬籠中のごとく書き 演出と俳優陣もその意を見事に汲む。とくに山村は平素の貫録イメージを裏切る腰が低く気忙しい名番頭型キャラを巧みに演じ舌を巻く。某作でのオネエ役以来相当の曲者と知ったがまた新たな名演を魅せられた。井上靖原作なので『猟銃』『化石』型の重厚な文芸路線を予想していたら(序盤でこそそんな雰囲気をわずかに漂わせたが)意外な展開の釣る瓶打ちに驚き。セミコメディとも言い切れない井手流独特過ぎユーモアが炸裂 何度も爆笑誘発。検索したら以前の他劇場上映時「切ない恋愛映画」風の惹句を見かけたがそれは苦肉と言うしかなく本質は別で「色恋抜きの関係をカラリと描いた」と言う今般の紹介が的確。これまで観た岡田茉莉子主演作は個人的には首肯し切れないものが多いがこれは掛け値なしの傑作(力作『女舞』も61年である意味絶頂期か?)。他 東野英治郎もコミカル面好演。滝沢修 冒頭顔見せ程度なのが惜しい。中盤岡田に翻弄される男 杉浦直樹 ↓ 。
未読の原作 井上靖『河口』現在新刊書なく閑却久しいようで関心湧き古書注文。また1961年松竹は『猟銃』『渦』『河口』と少なくとも3作の井上原作映画を撮っており何らかの意図ありか。岡田3作とも出演しているが『猟銃』では脇役 ↓ 。
http://domperimottekoi.hatenablog.com/entry/2014/10/12/131147
佐田啓二 佐分利信ともに『猟銃』『渦』出演。未見の『渦』いずれ観る機会あれかし。
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