12/7水 ラピュタ阿佐ヶ谷『東京は恋する』(1965日活 柳瀬観)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/tokyo_eigachizu02/sakuhin4.html#35
http://movie.walkerplus.com/mv21541/
↑ 伊藤るり子(18) 舟木一夫(21)。冒頭ビルの軒下で俄雨を除ける印象的な出会いシーンのスチールだが本篇では両者離れたままで接触せず。
大傑作。秀作揃いの60s中期日活歌謡映画既見作中でも最高峰『二人の銀座』(67)に迫る域。お話も音楽(歌)も演出も演技も全て完璧と言っても言い過ぎではないほど。歌謡物では脚本 監督が変に創造性を発揮し過ぎて肝心の楽曲が活かされずに終わる例が散見されるが本作はそんな悪弊と最も無縁なお手本的好例。当然恋愛テーマで定番の恋と友情の綱引きが描かれるが悲劇的過ぎたり逆に他愛なさ過ぎたりでなく適度な悲恋性と軽みとのバランスが絶妙。ラスト恋路の落としどころはあまり類例なさそうな斬新さ。そんな心得切った脚本&演出に俳優陣が見事な演技で応える。とくに主演舟木は既見出演作(助演格多し)中でも最出色。芝居の達者さには以前から舌を巻いてきたが今作では顔のアップが多用され微妙な表情の動きで心理の綾まで表現されその天性に瞠目。しかも決して大仰でなくどこまでも自然な演技ができるのが本当に凄い…と個人的には舟木にばかり目が行きがちだが助演陣でも親友役 和田浩治(21)もこれまでで一番。口八丁でエネルギッシュなバンドリーダー役が嵌まる本領。小僧シリーズ(未見)等の主演物から転じて脇役に専念の時期だがその割り切りと振り切れ潔し。ヒロイン伊藤るり子初見 日活アイドル女優中では新タイプの愛らしさで演技も溌剌。約10年後結婚引退したそうで惜しい。山本陽子(23) まだデビュー翌年乍ら2年間で20作以上出演 美貌にも既に貫録すら。中野味和子(19) のちに『11PM』カバーガール&歌手ともなる沢知美の初期名。出番少ないが伏線的な役で舟木 和田 伊藤 山本にこの中野を加えた5角関係?が軸となる。他に堺正章(19) 葉山良二(33) 桂小金治(39)らいずれも好演だが忘れてならないのが和田のバンド仲間役 杉山俊夫。和田も在籍した山内賢とヤング&フレッシュの陰のリーダー?で俳優としては風貌ゆえか気弱な青年役が多いが音楽面は一流 今作でも流石のギター姿魅せる(他メンバーでは弟 杉山元はおらずベース木下雅弘のみ出演)。和田もドラム捌き片鱗。序盤 後輩役 堺がモンキーダンス教えるシーンがあるが舟木は笛吹けど踊らずで残念でもあり安堵でもあり…
特集(東京映画地図2)関連では伊藤祖父母(中村是好 早川由紀)をはとバスで案内するシークエンスで定番東京タワーや前年(64)由縁の駒沢オリンピック公園等。
柳瀬観は前々年(63)初メガホン 30代の若手乍ら本作含め5本の舟木歌謡映画がある由(64『仲間たち』65『花咲く乙女たち』『北国の街』『東京は恋する』『高原のお嬢さん』)。既見 ↓『花咲く…』『高原…』。未見2作も観たし。
http://domperimottekoi.hatenablog.com/entry/2014/02/26/000000
http://d.hatena.ne.jp/natsukikenji/20100523
本作冒頭&ラストで唄う主題歌 ↓ 。本篇抜粋映像付き。
この曲は当時テレビで聴いた憶えあり。
主題歌以外で唄う曲の中で唯一の持ち歌「成人のブルース」↓ 隠れた名曲。
ヤング&フレッシュ既見出演作は『青春ア・ゴーゴー』(66)『二人の銀座』(67) ↓ 。
http://domperimottekoi.hatenablog.com/entry/2013/04/10/014248
http://domperimottekoi.hatenablog.com/entry/2014/11/12/000000
↑ このジャケ写には杉山俊夫はいない。
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