伊藤久哉『惡の愉しさ』

1/30月 ラピュタ阿佐ヶ谷『惡の愉しさ』(1954東映 千葉泰樹)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/picaresque/sakuhin3.html#24

(※ネタバレ注意→) http://movie.walkerplus.com/mv23960/

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↑ 伊藤久哉 久我美子。本篇白黒。2h近い大作にして傑作。名匠 千葉泰樹の底力のみならず脚本(猪俣勝人)の佳さも光りとくに台詞が絶妙且つ自然──勿論原作(石川達三同題作 未読)の力もあるのだろうが。前半の市井譚から中盤のある事件を挟んで後半取調室での攻防への対照性鮮やかな2段構成が大胆且つ高効果。俳優陣では何と言っても主演伊藤 稀代の名演級。常に本音隠し職場でも家庭でも口八丁で打算にのみ生きる男の不気味さは太宰治人間失格』思わせ。杉葉子演じる妻&不倫相手 久我も其々輪をかけた利己的ぶり。クレジット上トップ森雅之は伊藤悪友役でこれまた厭なプレイボーイが完嵌まり。伊藤に遊ばれる未亡人役 東郷晴子 艶演。取調官役 加藤嘉 出番短くも強印象。伊藤に誘惑される同僚夫人役 徳川光子とされているが千石規子と思われ。伊藤 養成所卒翌年でこれが初主演にしてデビュー作か? 数年後東宝に移り特撮物や悪役で鳴らすが本作の路線を継続していれば別の道をたどったかも。

↓ 森 伊藤 キャバレーで遊ぶ図。左端 森と寄り添う女給役 星美智子。 

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※タイトル 劇場サイトでは「惡」の字が使われているが本篇では不注意で未確認(上のパンフレットやネット上各紹介では「悪」と)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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