2/5(日)ラピュタ阿佐ヶ谷『血とダイヤモンド』(1964東宝 福田純) 帰省前観覧。
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/picaresque/sakuhin4.html#30
(※結末あり注意→) http://movie.walkerplus.com/mv21239/
↑ 上 左から 宝田明 藤木悠 下 左から 佐藤允 水野久美 夏木陽介。本篇白黒。 50年代から続くギャング物のトーンを低音部にしつつ斬新な試みを加え 60年代後半~70年代へと通じるノワールの一祖形とも見え 諸点非常に面白い──が惜しむらく何かが引っかかる気がしたがその主たる原因はどうやら音楽。シーンに応じ妙に雰囲気あるウエスタン調にしたり かと思えばサスペンスフルなところでは小洒落ジャズ系にしてみたりで(当時よくあること乍ら) その類型的味付けが却って折角の緊迫感を殺ぐ。他に台詞の若干の固さぎこちなさも禍い。が俳優陣は揃って七転八倒の熱演。特筆は佐藤允で主演格 宝田明を食う輝き。誰も信じず悪を貫く強盗団主犯のギラギラした憎々しさ瞠目物。追い詰められた一味が医師とその娘(志村喬 中川ゆき ともに好演)をも巻き込んで互いに疑心暗鬼を滾らせる極限状況での心理攻防が最大の見せ場。従犯 藤木悠 砂塚秀夫 石立鉄男 も其々個性発揮 とくに気弱な男役 砂塚いい味。宝田は一味の外に位置し且つ冷めたキャラ設定のため場の熱気からやや外れるのを否めず。夏木陽介 警察側のためピカレスクでは損な役廻り(その上司役 内田朝雄 久々感)。個人的最注目 水野久美 絶世美貌発揮。既見作ほとんどが弱い女性or淑やかなお嬢様なので悪女役ほぼ初見(前年の『マタンゴ』除き)。
↓ 別ポスター 上 宝田 佐藤 下 中川 志村 水野 夏木。
監督 福田純 怪獣物も手がけたが「重いから」との理由で伊福部昭を避けたそうで 音楽が軽い調子になってしまうのは仕方ない好みなのかも。
アイ・ジョージ主題歌 同題のウエスタン調バラードで名唱だが残念ながら曲映像なし。
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