水谷八重子(初代)『明日の幸福』

1/28(日) ラピュタ阿佐ヶ谷『明日の幸福』(1955東宝 瑞穂春海)

http://www.laputa-jp.com/laputa/program/its_show_time/sakuhin2.html#19

https://movie.walkerplus.com/mv24216/

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↑ 右から 木暮実千代 上原謙 久我美子 小泉博 水谷八重子 小堀誠。白黒。傑作。殊更にコメディーを標榜していない作にも拘らず笑いを誘う機微が秀抜の極み。家宝(壺や掛軸でなく埴輪なのが可笑しい)損壊を巡る名家内輪揉めは一見他愛なく&落としどころも予想つく作り(当然わざと)だが それを万人が共感できる温かい感動にまで運ぶ作劇見事。俳優陣も好演揃い。クレジット上はこのポスターのように上原をトップに置くことが多いようだが 実質はその妻 木暮と その息子の新妻 久我と その大姑 水谷ら3代の嫁役女優陣がトリプル主演の観。とくに水谷は個人的に映画出演作初見で 山田五十鈴と何となくダブっていたイメージを改めさせられる強印象。実年齢50歳 今作では白髪や物腰による老け役乍ら 作り込み過ぎない自然さが佳 。その夫役 小堀は頑固親父役似合う風貌で 既視感ありそうだが映画多からず&2年後(57)物故ゆえおそらくこれが初見と。新派=水谷との関わりからの出演らしい。上原 家庭内情に無頓着な亭主族の代表感嵌まり。木暮 上下板挟み中間嫁族?の心労巧演。小泉&久我 ドライさ匙加減苦労の若夫婦適役。他 女中頭役 賀原夏子 政界フィクサー役 大矢市次郎(新派) その秘書役 天津敏(『隠密剣士』の7年前) 久我母役 三宅邦子(木暮と共に松竹より客演)ら。監督 瑞穂春海(みずほしゅんかい)は松竹で美空ひばり映画等を撮り 60年代に大映に移り程なく引退したそうで 本作はそれらの合間の短い東京映画期作。

↓ 別ポスター&チラシ。

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なお本作の元は新派の同題人気舞台劇で 前年(54)明治座初演 主演は当然 大看板女優 水谷八重子だが この映画とは異なり「恵子」役(本作では木暮演)。『瀧の白糸』『皇女和の宮』等と共に所謂 八重子十種 に数えられ 後年も新派系で二代目水谷八重子らにより伝統的に上演されている模様。

↓ 本作同年(55)の水谷と娘 良重(16歳 のちの二代目)。十四代守田勘彌と離婚5年後。

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