唐組30周年公演『吸血姫』花園神社 / 唐十郎『黄金の日日』

5/11金 於 新宿 花園神社 唐組30周年記念公演第1弾『吸血姫』演出 久保井研+唐十郎

https://ameblo.jp/karagumi/entry-12356666388.html

f:id:domperimottekoi:20180512125710j:plain

噂にのみ聞く〈紅テント〉初体験。お話の面での事前情報一切入れず観覧(唐十郎の戯曲『吸血姫』も当然未読)。序盤 どこへ連れて行かれるやらの眩惑から 軈ての凄愴展開に瞠目余儀なしの不可思議悲喜劇(or喜悲劇?)。頽廃病院 歌謡界憧憬 関東大震災 満州夢想etc…の絢爛イメージ奔流ごった煮闇鍋感満幅。随所に怪奇味挟まれ ラストにはテント+神社境内の特殊環境活かしたスペクタクルも。実質主人公格の放浪看護婦と病院御曹司を演じた大鶴美仁音 大鶴佐助唐十郎の息女&子息の由で 共に大熱演。前者を追う若者役 福本雄樹の美青年ぶりも目惹き。鍵となる歌手志望の狂える看護婦役 銀粉蝶 はSPゲスト格乍ら長尺奮闘 流石の歌唱力も披露。

上のポスターの絵 ↑ は71年初演時と同じ高畠華宵馬賊の唄」で人物は少年らしいが 劇中織り込まれる東洋のマタハリこと川島芳子の相貌が重なると思われ(誰が川島の扮装するかは秘)。

終演挨拶 唐十郎 登壇 実物初見。予後で補助されつつも陽気発露。迫力舞台に拍手!

 

↓ 演出 久保井研インタビュー。嘗て銀粉蝶 女優志望の契機になった劇との逸話注目。

https://spice.eplus.jp/articles/184415

 

 

 

ところで銀粉蝶の役名「高石かつえ」は戦前戦後と何度も繰り返し作られた人気映画『愛染かつら』のヒロイン名に因み 劇中で銀粉蝶が唄うのはその主題歌「旅の夜風」で オリジナル ↓ は1938年の霧島昇&ミス・コロムビアによる大ヒットデュエット曲(歌唱両人はのちに結婚)。

1962年の数度目リメーク時には 役名と同名の歌手「高石かつえ」が同曲でデビューし ↓ まさに銀粉蝶の役どころを地で行く(or これが劇のモデル?)。

個人的には1965年のドラマ(所謂昼メロ)『愛染かつら』がかすかに記憶にあり ヒロイン長内美那子の美貌と共にこの曲もその頃に知る。↓ 主題歌唱 神戸一郎&青山和子

※霧島バージョン3番「夜風か沁みわたる」神戸バージョン「夜風が沁みるとも」の相違に注意(高石バージョンはライブ映像のため3番省略)。今回の劇中でどちらが採られていたかは不明。

 

 

 

さらに余談。唐十郎を唯一ドラマで視たのは78年大河『黄金の日日』での悪徳商人 原田喜右衛門 役。李麗仙 根津甚八らの縁での僅かなゲスト出演乍ら印象強烈。↓ マスト上でダンテ読み上げる必見名シーン。40年前38歳時。

のちに制作サイドが「唐さんはマントが似合う人」との起用理由を何かの記事で触れていたのを見た憶え。他にもテレビ出演意外と多いようだが全て未見。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…にしても慣れぬ茣蓙坐り芝居見物は腰痛し(嗤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.