11/12月 ラピュタ阿佐ヶ谷『風流温泉日記』(1958東宝 松林宗恵)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/20th_anniversary/sakuhin1.html#06
(結末あり注意) https://movie.walkerplus.com/mv25682/
↑ 上 水野久美 加東大介 三益愛子(大映客演) 中 司葉子 宝田明 下 小林桂樹 団令子 仲代達矢 上原謙。白黒。大傑作。一応喜劇に入りそうだが コテコテやドタバタやスラップスティックに一切頼らず 個々エピソードを丹念に描き慎重に積み重ねる群像劇 秀逸の極み。トップクレジットは 団 水野 三益のトリプルだが 水野は開幕1時間ほどで漸く登場し 役名なく台詞少なく出番短く純脇役感で 実質主演は団と三益。とくに三益の抑えた名演が光る。団と水野はデビュー後2年程度で売出期だが既に達者。小林は団の相手役で準主演格。仲居役陣では中北千枝子が上原との絡みで実力片鱗(田中友幸夫人だが本作製作は藤本真澄)。司と宝田は特別出演扱いでごく短時。他 旅館側では加東始め 山茶花究 笹るみ子 環三千世ら 客側では仲代 東山千栄子 芦屋雁之助 左卜全らが持ち味。終盤 緊迫事件あり 検索せず観るが吉。松林宗恵 既見7作中 最秀作。脚本の須崎勝弥(須崎勝彌) 戦争物が主力のようだが 井手俊郎思わす巧作劇見事。
↓ 加東 小林 団。
55年に新東宝で同じ須崎+松林の『風流交番日記』(小林主演)があり 本作はそのシリーズ的流れと思しい。62年には小林と司 主演『風流温泉 番頭日記』も(脚本 監督は別)。
同日『肉体の反抗』(1957日活 野口博志)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/20th_anniversary/sakuhin1.html#07
(結末あり注意) https://movie.walkerplus.com/mv25088/
↑ 上 筑波久子 青山恭二 下左から 岡田真澄 高木由子 水島道太郎 利根はる恵 大坂志郎。白黒。筑波の一躍出世作で「体を張った」が定句のようだが 時代性もあり殊更の肌露出や激しい濡れ場があるわけではなく 寧ろ身を堕として復讐鬼と化す役柄への嵌まりぶりが最注目。トップクレジットは筑波 青山 水島 並列で 青山は相手役(=見方によっては大坂)乍ら中盤漸く登場するが やはり変身ぶり巧演。水島 出番少なめ。岡田 チャラい悪役 最適。筑波 2年後(59)の『昼下りの暴力』での水島相手役の破滅型悪女で目を惹かれたが 本作はその系統の端緒として得心。後年 渡米し成功(私生活では不幸も) 現在も活躍の由。
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