『騙し絵の牙』(2021 松竹 吉田大八) 4/1土 於 新宿ピカデリー
https://movies.shochiku.co.jp/damashienokiba/
↑ 左 松岡茉優 右 大泉洋。松岡 実質主演の感も。(両者原作では愛人だが映画では異)
『罪の声』観覧時に同じ塩田武士原作物で近く公開と知り小説版買い待機するも読み始めるに至らず 結局観覧直前に序盤のみ覗き観覧後に読了。事前検索控えたが「原作知る者ほど驚く」とのネット情報散見。たしかに大きい改変とあとで知ったが 内容の是非以前に 当初から映画化ありきの企画で 構想 取材 執筆に8年を費やし しかも主演充て書きで書かれたものをここまで大幅変更するなら そもそも原作が存在する必要性に多少の疑問否めず。がそれは扨て置き…
結果的には映画小説共に予想(or期待)とは異なり〈騙し〉の意味が観客(or読者)の目を根底から欺く(所謂叙述トリック的な)ものではなかった点が残念と言えば残念。とくに主演が大泉洋で 且つ〈騙し〉の映画と言えば 内田けんじ監督作『アフタースクール』(2008)の印象が強烈で先入主を拭えないだけに。とは言え豪華俳優陣の個性合戦は見どころ。とくに個人的には久々に見た石橋けいの存在感に目惹かれ。
映画版でもう1点気になったのは 終盤の某人物の台詞「人を騙して楽しいですか(大意)」に集約される面。つまり騙された側がそこまで貶められねばならない〈悪〉だったとは思えず 同情あるいはむしろそちら側にこそ共感を覚えてしまうのが正直なところ( ↑ の台詞があるからにはそこまで計算のうちかもしれないが)。
『樹海村』(2021 東映 清水崇) 4/1土 於 新宿バルト9 https://jukaimura-movie.jp/
↑ 左 山田杏奈 右 山口まゆ。
『犬鳴村』に続く巨匠 清水崇の本格作を漸く。前作に続き主要舞台となる〈森〉の描写注目。容赦ない展開の徹底ぶりは今作が上回るが 後味の悪さは前作がやや上か。俳優陣ではW主演の一角 山口まゆの『昼顔』(連ドラ版)『相棒 劇場版Ⅳ』で垣間見た安定感再確認。山田杏奈も体張る熱演。助演では 塚地武雅がいい味。大谷凛香 冒頭シークエンスで『犬鳴村』と同じ心霊ユーチューバーアキナ役で再登場。國村隼は偶然にも〈森〉関連ホラーの実質主演韓国映画『哭声/コクソン』(2016)をつい連想。因みに國村のみ『騙し絵の牙』にも出演。
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